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9.8:

結合の極性、双極子モーメント及びイオン特性

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Química
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Bond Polarity, Dipole Moment, and Percent Ionic Character

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化学結合の種類は 非極性共有結合なのか 極性共有結合なのか イオン結合なのかは 結合している原子間の 電子陰性度の差と その結合の長さによって 大きく決まります 臭素では 2つの臭素原子間の 電子陰性度の差がゼロであるため 2つの臭素原子間の結合は 非極性です 臭化水素では 電子陰性度の高い臭素が 電子陰性度の低い水素原子から 電子密度を引き離すため 結合は極性共有結合です 臭化カリウムでは 電子陰性度の差が大きいため 結合はイオン結合となり カリウムから臭化水素への 完全な電子移動が行われます 同じように帯電していても 反対に帯電している 2つの粒子が距離を隔てて 双極子が形成されます この双極子の定量的な尺度は 電荷の大きさQ(クーロン)と 電荷間の 距離r(メートル)の積である muという文字で表され 双極子モーメントと 呼ばれています 双極子モーメントは デバイ単位で与えられ 1デバイは 3.34×10^30 C*mです 化合物が極性共有または イオン性であるかどうかは 完全な電子移動を仮定した 双極子モーメントに対する 結合の測定された 双極子モーメントの比である パーセントイオン性の 特性を計算することによって 決定することができます 50%以上のイオン性結合は イオン性とみなされます 水素原子とフッ素原子が 92pmの距離で 隔てられている フッ化水素を考えてみましょう この結合がイオン性の場合 電子が完全に移動したと仮定して 双極子モーメントを計算します 電子の電荷に 原子間距離を乗じて 得られた値を1デバイで割ると 4.41Dの双極子モーメントが 得られます しかしフッ化水素の 実験的に測定された双極子 モーメントは1.18Dです したがってフッ化水素の イオン性を求めるためには 測定値1.18Dを4.41Dで 割ることになります 41 Dで割ると 41%のイオン性が得られます フッ化水素のパーセント イオン性は50%未満であり 極性共有結合であることが わかります

9.8:

結合の極性、双極子モーメント及びイオン特性

結合の極性

結合している2つの原子の電気陰性度の差(ΔEN)の絶対値は、結合に期待される極性の大まかな尺度となり、したがって結合の種類を示します。この差が非常に小さいかゼロの場合、その結合は共有結合であり、無極性です。その差が大きい場合は、極性のある共有結合またはイオン結合です。H-H、H-Cl、Na-Clの結合における原子間の電気陰性度の差の絶対値は、それぞれ0(非極性)、0.9(極性共有結合)、2.1(イオン性)です。

原子間で電子を共有する度合いは、完全に等しいもの(純粋な共有結合)から全くないもの(イオン結合)まで様々です。

  • 例えば、HFのH原子とF原子の電気陰性度の差は1.9で、NH3のN原子とH原子の電気陰性度の差は0.9ですが、これらの化合物はどちらも極性共有結合とみなされる結合を形成しています。
  • 同様に、NaClのNa原子とCl原子の電気陰性度の差は2.1であり、MnI2のMn原子とI原子の電気陰性度の差は1.0ですが、いずれもイオン化合物を形成しています。

結合の性質が共有結合かイオン結合かを判断する最良の方法は、関係する原子の種類と周期表における相対的な位置を考慮することです。

  • 2 つの非金属間の結合は一般に共有結合です。
  • 金属と非金属の結合は、イオン性が高いことが多いです。

化合物の中には、共有結合とイオン結合の両方を含むものがあります。OH、NO3、NH4+などの多原子イオンの原子は、極性のある共有結合によって結合しています。しかし、これらの多原子イオンは、反対の電荷を持つイオンと結合することで、イオン性の化合物を形成します。例えば、硝酸カリウム(KNO)は、K+イオンと多原子NO3イオンを含んでいます。このように、硝酸カリウムの結合は、K+イオンとNO3イオンの間の静電引力に起因するイオン結合と、NO3の窒素原子と酸素原子の間の共有結合です。

分子極性と双極子モーメント

前述したように、極性共有結合は、電気陰性度の異なる2つの原子を結合するもので、電子が電気陰性度の高い原子に引っ張られることにより、一方の原子は部分的に正の電荷(δ+)を、もう一方の原子は部分的に負の電荷(δ-)を持つことになります。このような電荷の分離により、結合双極子モーメントが発生します。結合双極子モーメントの大きさは、ギリシャ文字のmu(µ)で表され、Qは部分電荷の大きさ(電気陰性度の差で決まる)、rは電荷間の距離で、次の式で与えられます。

Eq1

この結合モーメントは、方向と大きさを持つ量であるベクトルとして表すことができます。双極子のベクトルは,電気陰性の原子から電気陰性の原子に向かって,結合に沿って矢印で示されます。電気陰性度の低い方の端に小さなプラス記号を描き、結合の部分的にプラスの端を示しています。矢印の長さは,2つの原子の電気陰性度の差の大きさに比例します。

また、分子構造や各結合の極性によって、分子全体に電荷の分離が生じることがあります。このような電荷分離がある場合、その分子は極性分子(または双極子)と呼ばれ、そうでない場合は非極性分子と呼ばれます。双極子モーメントは、分子全体の正味の電荷分離の程度を示すものです。双極子モーメントは、分子構造を考慮した上で、3次元空間における結合モーメントを加算して求められます。

二原子分子の場合、結合は1つしかないので、結合の双極子モーメントが分子の極性を決定することになります。Br2やN2のような同核の二原子分子では、電気陰性度の差がないので、双極子モーメントはゼロです。COのような異核分子では、小さな双極子モーメントがあります。HFの場合は電気陰性度の差が大きいので、より大きな双極子モーメントがあります。

分子内に複数の結合がある場合、その形状を考慮しなければなりません。分子内の結合が、その結合モーメントが相殺される(ベクトル和がゼロになる)ように配置されていれば、その分子は非極性です。これは、CO2の場合です。それぞれの結合は極性を持っていますが、分子全体としては非極性です。ルイス構造から、VSEPR理論を用いて、CO2分子は、炭素原子の反対側に極性のあるC=O結合を持つ直線状の分子であることが決定されます。結合モーメントは、反対方向に向いているため、相殺されます。水分子の場合も、ルイス構造から、中央の原子に2つの結合があることがわかり、電気陰性度の違いから、それぞれの結合がゼロでない結合モーメントを持つことがわかります。しかし、この場合は、Oの孤立電子対のために分子構造が曲がっており、2つの結合モーメントは相殺されません。したがって、水には正味の双極子モーメントがあり、極性分子(双極子)であることがわかります。

本書は 、 Openstax 、 Chemistry 2e 、 Chapter 7.2 : Coalent Bonding and Openstax 、 Chemistry 2e 、 Chapter 7.6 Molecular Structure and Polarity から引用しています。