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8.9:

発酵

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Fermentation

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発酵とは 酸素なしで 糖を使う嫌気性プロセスのことです 例えば 乳酸が発酵する間に 筋肉が酸素を使い果たすと グルコースは解糖の間に 2つのピルビン酸分子に分解され 2つのATPを生成し 2つのNAD分子をNADHに還元します その後 NADHは ピルビン酸と反応して乳酸を生成し 二酸化炭素は放出されず ATPはもう作られません 実際 好気的呼吸と同量の ATPを産生するには 細胞ははるかに大量の糖を 消費する必要があります NADHが酸化した後 NAD+は解糖に返って そこでATPは グルコースの分解により集められます 人間の場合 酸素が不足しているとき 筋肉細胞は激しい運動の間に このプロセスによってATPを生産できます その後 蓄積された余分な乳酸塩は 血液によって肝臓に運ばれ そこでピルビン酸に戻されます

8.9:

発酵

真核生物の多くは、生存し適切に機能するために酸素を必要とします。このような生物は、グルコースと酸素を二酸化炭素と水に代謝する好気呼吸で、大量のエネルギーを生み出します。しかし、ほとんどの真核生物は、酸素がなくとも、嫌気性代謝によって、ある程度のエネルギーを作り出せるのです。

好気呼吸は、一連の酸化・還元反応を経て、最終的な電子受容体である酸素を水に還元して終了します。酸素がないと、この反応は起こりません。代わりに、ピルビン酸などの有機分子を最終的な電子受容体として用いることで、細胞は解糖で生成されたNADHを再生させます。このように、有機分子を使ってNADHからNAD+を再生成するプロセスは発酵と呼ばれます。

発酵は、反応の最終生成物によって2種類に分けられます。1)乳酸発酵と2)アルコール発酵です。哺乳類では、ミトコンドリアがなく好気呼吸のできない赤血球や、激しい運動をした骨格筋で乳酸発酵が起こります。また、ヨーグルトに含まれるような特定の細菌でも生じます。この反応では、ピルビン酸とNADHが乳酸とNAD+に変換されます。

アルコール発酵は2段階工程です。第一段階で、ピルビン酸が二酸化炭素とアセトアルデヒドに変換されます。第2段階では、アセトアルデヒドが電子受容体として働き、付随してNADHをNAD+に変えながらエタノールへと還元されます。全体として、アルコール発酵はピルビン酸とNADHをエタノール、二酸化炭素、NAD+に変換します。酵母はアルコール発酵を使って、糖を二酸化炭素とエタノールに変換します。ビールやワインなどのアルコール飲料は、この工程を利用して作られています。