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27.11:

硫黄循環

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The Sulfur Cycle

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硫黄は、気体として大気・陸上生態系・水上生態系を循環しています ある時は、二酸化硫黄またはSO2として 大気中から陸上生態系に入り、沈殿物に溶けた弱硫酸として、あるいは降下物として沈殿しています 海上沈殿物の隆起で出来た 硫黄を含んだ岩が風化することも、陸上生態系に硫黄が入る原因です 硫黄は、植物の根から硫酸塩として取り込まれ、土から食物連鎖に入ります そしてその植物を食べた有機栄養生物が死ぬことで 大気中に硫化水素として大気中に硫黄が戻ってきます 土中や地熱口からの余った硫黄は、海に排出され 海底に沈殿物として沈殿していくか、あるいは海の化学合成独立栄養生物によって 生物エネルギー源として利用されます また、火山活動や地熱口といった自然過程によって 硫化水素として硫黄が大気中に放出されています しかし、化石燃料の燃焼は、不自然に大量の硫黄を大気に放出するため、酸性雨となって地表に降り注ぎ 生態系を破壊しています

27.11:

硫黄循環

タンパク質を構成する重要な元素である硫黄は、大気や水域、陸域でリサイクルされています。大気中では二酸化硫黄(SO2)として存在し、生物の腐敗、風化した岩石、地熱発電所、火山、化石燃料の燃焼などによって放出されます。生態系に堆積し、生物群集の中を循環し、ガスとして大気中に放出されるか、海洋堆積物に堆積して長期貯蔵され、最終的に土壌や大気中に放出されます。

生物地球化学的な硫黄の循環

硫黄は生体に不可欠な物質であり、タンパク質の構造に重要な役割を果たすシステインなど、特定のアミノ酸の構成要素でもあります。硫黄は、弱い硫酸の降水、大気からの直接降下、硫黄を含む岩石の風化、地熱の噴出などによって、陸地(=陸上)の生態系に分布します。

土壌からは、微生物や植物に取り込まれ、生態系の消費者が利用できる有機物に変換されます。生物が死ぬと、分解者が有機硫黄化合物を硫化水素などのガスに分解し、大気中で酸化されて二酸化硫黄となります。さらに、一部の化学的従属栄養生物は硫黄を生物学的エネルギー源として使用し、硫黄分子を直接生態系でリサイクルしています。

硫黄は、陸地からの流出物、大気からの直接降下物、水中の地熱の噴出口などを通して海洋生態系に導入されます。この硫黄の一部は食物連鎖を循環し、海面散布として大気中に放出されます。残りの硫黄は海底に堆積し、長期間にわたって蓄積されます。地質学的な時間の経過とともに、隆起によって堆積物が陸地に戻され、浸食によって硫黄が放出されます。

人為的な硫黄循環への影響

化石燃料、特に石炭の燃焼により、大気中に不自然な量の硫化水素ガスが発生し、その結果、酸性雨として現れる二酸化硫黄の濃度が高くなります。酸性雨は、湖や川のpHを低下させ、水生動物や陸生動物に害を与えることで環境に悪影響を与えます。

Suggested Reading

Wasmund, Kenneth, Marc Mußmann, and Alexander Loy. “The Life Sulfuric: Microbial Ecology of Sulfur Cycling in Marine Sediments.” Environmental Microbiology Reports 9, no. 4 (August 2017): 323–44. [Source]

Durham, Bryndan P., Shalabh Sharma, Haiwei Luo, Christa B. Smith, Shady A. Amin, Sara J. Bender, Stephen P. Dearth, et al. “Cryptic Carbon and Sulfur Cycling between Surface Ocean Plankton.” Proceedings of the National Academy of Sciences 112, no. 2 (January 13, 2015): 453–57. [Source]