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29.8:

持続可能な発展

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Sustainable Development

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持続可能な開発とは、今の人類の需要を満たす一方で,将来の世代にも必要なリソースを 確保することです。開発の3つの主要な領域である,社会,経済,生態学は,この概念の中で絡み合っています。生物学的観点では,持続可能な開発には、生態学的問題を理解し、生物多様性と天然資源を保護するための 保全努力を実施する 研究が必要です。生物同士の相互作用や 環境、および生態系が 間の活動によってどのように影響を受けるかを研究することで、野生生物を保護し生物多様性を保護しながら、人間の生活水準を維持,改善する 取り組みを推進できます。先進国のエネルギー要件は、持続可能な開発における主要な環境課題です。化石燃料はいまだにエネルギーに大きく依存していますが、限りある資源です。さらに、これらの燃料を燃やすと 二酸化炭素が大気中に放出され、気候変動を引き起こします。化石燃料を風力や太陽エネルギーなどの 再生可能エネルギー源に置き換えることは、持続可能な開発の実例です。土地と水も有限の資源であるため、現在および将来の人々に十分な食料を生産するには、農業の持続可能な開発が不可欠です。畑での輪作は、持続可能な農業の 実践の一例です。作物の輪作は、時間の経過とともに土壌中の栄養損失を最小限に抑え、より効率的な作物の成長を可能にし、複数の成長期にわたってトウモロコシなどの 特定の作物に寄生する害虫の影響を軽減します。

29.8:

持続可能な発展

人類の人口が増え続け、資源を使い続ける中で、私たちは地球の自然の限界に配慮しなければなりません。持続可能な開発は、現在の人間の生活を維持・向上させると同時に、将来の世代が必要とする資源を確保するための道筋を示すものです。持続可能性への取り組みを長期的に成功させるためには、人間の行動と生態系の相互作用を理解することが必要です。

海は世界的な保全活動の重要な焦点のひとつです。乱獲、汚染、海洋酸性化や海面上昇などの気候変動の影響など、世界の海を守るために取り組まなければならない大きな問題のほんの一部です。海は、人間に膨大な量の食料を提供するだけでなく、大気中の酸素の重要な供給源であり、CO2ガスの炭素吸収源でもあります。また、気候の調節にも役立ち、世界中の天候パターンに影響を与えています。

持続可能な開発の一つの大きな焦点は、海洋漁業です。現代の漁法では、一度に大量の魚を集めることができるため、短期的には効率的ですが、魚の個体数が局所的に減少し、海洋の食物網全体に影響を及ぼすことになります。また、現在の大規模な漁法では、目的の魚と一緒にイルカや海鳥などの動物が網にかかって死んでしまうこともあります。そのため、自然保護団体は水産業界と協力して、意図しない捕獲を防ぐ新しい漁具を設計しています。さらに、商業的に価値のある魚の個体数を減らさないための規制も制定されています。このような取り組みは、長期的には、魚が絶滅しない限り、食料源としての魚に依存し続けることができる人間にとっても有益なものです。

持続可能な開発は、人間の生活を向上させることを目的としていますが、それを成功させるためには、生態系や地球を共有する他の生物を慎重に管理する必要があります。

Suggested Reading

Visbeck, Martin. "Ocean science research is key for a sustainable future." Nature Communications 9, no. 1 (2018): 690. [Source]