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36.4:

重力と触覚への反応

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Responses to Gravity and Touch

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植物は通常、地面から 芽を伸ばし、土の中に 根を張ります。植物はどのように上下を 感知しているのでしょうか?植物は重力に応答して 成長し、動きます。この現象を重力屈性と 呼びます。根が下方向に 成長する場合など、重力と同じ方向へ 成長することを 正の重力屈性と呼びます。シュートが上に向かって 成長する場合など、重力と反対の方向へ 成長することを 負の重力屈性と呼びます。根の根冠には重力を 感知する特別な細胞、平衡細胞が含まれています。平衡細胞の中では、アミロプラスト、または 平衡石と呼ばれるデンプン質の 密度の高い細胞器官が 重力に引かれて底に溜まっています。垂直方向にI 伸びている根では、平衡石は各細胞の 底面付近に溜まります。根の向きを横にすると、平衡石は滑り落ちて、元は細胞の側面だった 垂直方向の壁が 新たに細胞の 底辺となります。底に溜まった アミロプラストによって 重力を感知した植物は、根の上部の成長を促進し、下部の成長を 抑制することで、根の先端を非対称に 伸長させます。上部の細胞が急速に 伸長することで 根が曲がり、下方向に 伸びていきます。植物の成長には接触応答も 関与しています。例えば、多くの植物は 土の中の障害物を 避けながら根を伸ばし、つる植物は他の構造物に 巻き付きながら成長します。接触屈性とは、植物が 物への接触に応答して 成長する方向を変えることを指します。根は通常、接触した 障害物を避けて 成長することで、最も 抵抗の少ない土壌を 伸び進んで行きます。これを 負の接触屈性と呼びます。反対に、つる植物の 糸のような巻きひげは 接触した物体に向かって 成長し、時には凄い速さで 物体に巻き付きます。これを 正の接触屈性と呼びます。巻きひげは物との接触を 敏感に感知します。刺激に触れると、接触した側にある 細胞が収縮し、反対側の細胞は 伸長します。この成長の差異によって 巻きひげは物体に 絡み付き、植物を安定化 させているのです。

36.4:

重力と触覚への反応

重力屈性:植物の重力に対する応答

高等植物は、新芽では維管束の近くに、根では根頭のコルメラにある細胞「スタトサイト」を使って重力を感知しています。スタトサイトには、スタトリスと呼ばれるデンプンを含んだ小器官があります。スタトイスは、重力の方向に向かってスタトサイトの底に沈降します。

スタトリスの沈降がシグナルカスケードの引き金となり、植物ホルモンのオーキシンが根と芽の先端で非対称に分配されるようになります。この過程で、根や芽の下側でオーキシン濃度が高くなる横方向のオーキシン勾配が発生します。

根では、下側のオーキシン濃度が高いと細胞の膨張が抑制されるため、上側の細胞が急速に膨張し、根が下に向かって曲がっていきます。一方、新芽では、下側のオーキシン濃度が高いと、細胞の膨張が促進されます。細胞は下側でより急速に膨張し、新芽は上に向かって曲がることになります。

接触屈性:植物の接触に対する応答

つる植物には、物体に巻きつくように伸びる「巻きひげ」があります。巻きひげの先端には、触覚を感知する表皮細胞があり、これが成長の違いを引き起こします。ここでは、触った側の細胞が、触った反対側の細胞よりもゆっくりと成長することで、触ったものに向かって曲がることができます。

接触屈性と重力屈性の相互作用

垂直に伸びる根は、下向きに伸びる途中で障害物にぶつかると、接触点から離れて伸びていきます。このように、垂直に伸びる根は、重力屈性よりも接触屈性が優先されます。一方、水平方向の根は、障害物があっても下向きに成長します。このように、根が成長する際の経路は、これらの反応の相互作用によって制御されていると考えられます。

Suggested Reading

Braam, Janet. "In Touch: Plant Responses to Mechanical Stimuli." New Phytologist. 165 (2)2005: 373–89. [Source]

Jaffe, Mordecai J, A Carl Leopold, and Richard C Staples. "Thigmo Responses in Plants and Fungi." American Journal of Botany. 89 (3)2002: 375–82. [Source]

Su, Shih-Heng, Nicole M Gibbs, Amy L Jancewicz, and Patrick H Masson. "Molecular Mechanisms of Root Gravitropism." Current Biology. 27 (17)2017: PR964–R972. [Source]