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10.7:

原子軌道の混成 II

JoVE Core
Chemistry
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JoVE Core Chemistry
Hybridization of Atomic Orbitals II

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三角二錐体 八面体などの 分子形状は 混成の過程で 三次元軌道が関与していると 仮定することで説明できます 五塩化リン分子は 三角二錐形をしており 5個の原子価電子を持っています リンは3sの軌道と 3つの3p軌道および 1つの3d軌道を リン-塩素結合に関わる5つの sp3d 混成軌道を 形作るのに使用します 六フッ化硫黄には 八面体構造があり 6つの価電子が含まれています 3s軌道と3つの3p軌道 および硫黄の 2つの3d軌道は 6つの同等な sp3d2混成軌道を 形作ります これらの6つのsp3d2軌道は 硫黄の周りに八面体構造を形成し 硫黄-フッ素結合の形成に 寄与しています 混成化の概念はまた 多数の結合の形成のための 説明を提供します 2つのp軌道の サイドオンオーバーラップは π結合を生じさせます しかし π結合は 2原子間に シグマ結合が既にある場合だけ 二重結合および三重結合で 形成することができます π結合は核間軸の 反対側に存在するため π結合はこの軸を中心に 回転することができません エテン分子では 両方の炭素が sp2の混成を示します 1つの炭素原子の1つのs軌道と 2つのp軌道の混成により 3つの同一のsp2混成軌道が 生成され 1つのp軌道は 未混成のままです 炭素-炭素シグマ結合は 各炭素原子上の 2つのsp2混成軌道の 重なりによって形成されます 各炭素上の2つの 炭素-水素シグマ結合は 水素原子上の1s軌道と 2つのsp混成軌道の 重なりによって形成されます したがって エテン分子では 5つのシグマ結合が形成されます 炭素上の非混成化された 2p軌道が 互いに横方向に重なり合って π結合が形成されます 6つの原子はすべて同じ 平面に横たわっているので 2p軌道は効果的に 重なり合うことができます このように エテンの 二重結合は 1つのシグマ結合と 1つのπ結合から構成されます エテンの三重結合と 直線的な幾何学的構造は sp混成を用いて 説明することができます 両方の炭素原子の 2sと2pの軌道が 混成を受けて それぞれ2つのsp軌道を生成し 2つのp軌道は 未混成のままです sp軌道の一方は 他方の炭素原子と シグマ結合を形成し 残りのsp軌道は 水素原子とシグマ結合を 形成します 非混成化された2つの2p軌道は 直交しており sp混成軌道の 主軸で交差しています これらの2p軌道は 2つのπ結合が形成される結果 他の炭素原子の2p軌道と 横方向に重なります したがって エチインの三重結合は 2つの炭素原子の間の 1つのシグマ結合と 2つのπ結合からなります

10.7:

原子軌道の混成 II

sp3d およびsp3d 2 混成

三角両錐の配置で5つの結合軌道を記述するためには、5つの電子価殻の原子軌道(s軌道、3つのp軌道、1つのd軌道)を使用しなければならず、これにより5つの sp3d混成軌道が得られます。6つの混成軌道の八面体配置では、6つの価電殻の原子軌道(s軌道、3つのp軌道、および価電殻のd軌道のうち2つ)を使用しなければならず、これにより6つのsp3d 2混成軌道が得られます。これらの混成軌道は、価電子帯の小軌道にd軌道を持つ(つまり、第1周期や第2周期のものではない)原子でのみ可能です。

五塩化リン(PCl5)の分子では、5つのP-Cl結合(したがって、リン原子の周りの5組の価電子)が三角両錐の角に向かっています。3s軌道、3p軌道、3d軌道のうちの1つを用いて、P-Cl結合に関与する5つのsp3d混成軌道のセットを形成します。他にもSF4の硫黄原子、ClF3やClF4+の塩素原子などがsp3d混成を示す原子です。

六フッ化硫黄(SF6)の硫黄原子は、sp3d 2混成を示します。六フッ化硫黄の分子は、6個のフッ素原子と1個の硫黄原子を結ぶ6組の結合電子を持ちます。中心となる原子には孤立電子対はありません。6個のフッ素原子を結合させるために、3s軌道、3p軌道、3d軌道のうちの2つが6つの等価なsp3d 2混成軌道を形成し、それぞれが8面体の異なる角に向けられます。他にsp3d 2混成を示す原子としては、PCl6のリン原子、ハロゲン間化合物IF6+、IF5、ICl4、IF4のヨウ素原子、XeF4のキセノン原子などがあります。

このテキストは 、 Openstax 、 Chemistry 2e 、 Section 8.2 : Hybrid Atomic orbitals から引用されています。