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19.9:

網膜

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The Retina

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網膜の奥には 光を神経信号に変換する 光受容細胞の 桿体視細胞と錐体視細胞があります それらには光を吸収する 光色素分子を含む 外側セグメントがあり 暗い所にある場合と比較して 神経伝達物質放出速度を低下させる 電気化学的変化をもたらします 桿体視細胞は光に非常に敏感で 主に微光の場合に使われます 一方 錐体視細胞は 日中の視力の大半に用いられます 網膜の中心近くの小さなくぼみの 中心窩に密に詰まっていて 最も鋭い視力を提供します 人間には青 緑 赤の3種類の 錐体視細胞があり それぞれの色素に吸収される 光の波長に対応しています そのため 様々な種類の錐体視細胞を 相対的に活性化することで 色を符号化します 桿体視細胞と 錐体視細胞から来る光の情報は 双極細胞に伝達されます 水平細胞は 光受容体と双極細胞との間の 相互作用を媒介し 視覚情報の処理を助けます 次いで双極細胞は 神経節細胞に情報を送ります 別のグループの アマクリン細胞は これらのニューロン間の シナプスにつながり 刺激を更に分析するのを助けます 最後に視覚情報は 視神経を構成する 神経節細胞を通して 脳に送られ より高いレベルの処理を行います

19.9:

網膜

網膜は、目の奥にある神経組織で、光を神経信号に変換する役割を担っています。このプロセスは光伝達と呼ばれ、網膜の奥にある桿体と錐体の視細胞によって行われます。

光受容体は、桿体のロドプシンのような光色素分子を含む膜ディスクが外郭に積層されています。光色素が光を吸収すると、分子イベントの連鎖が起こり、暗闇の中にいるときよりも細胞が過分極(膜電位がよりマイナスになる)します。この過分極により、神経伝達物質の放出が減少します。このように、光は他の多くの感覚ニューロンへの刺激とは異なり、光受容体からの神経伝達物質の放出を減少させます。

杆体と錐体はともに光を感知しますが、視覚においてはそれぞれ異なる役割を果たしています。杆体は光に対する感度が高く、主に夜間などの低照度環境下で機能します。錐体は光に対する感度が低く、昼間の視覚に多く使われます。錐体は、焦点(網膜の中心部にある小さな窪みで、杆体はほとんど含まれていない)に集中しており、目の焦点が合っている部分では高い視力を発揮します。

色情報を伝えるのも、人間の場合、S(短)、M(中)、L(長)の3種類の錐体が、それぞれ異なる波長の光を最大限に吸収するからです。これは、それぞれの錐体にはすべてのオプシンが存在するものの、3つの錐体にはそれぞれ異なる光吸収特性を持つオプシン分子がほぼ独占的に存在するためです。異なるタイプの錐体の相対的な活性化が、色を符号化しています。

光受容体は、視覚情報を網膜の中央にある双極細胞に送り、双極細胞は網膜の前部にある神経節細胞にシナプスで結合します。さらに、水平細胞とアマクリン細胞という2つのタイプの細胞が、これらの結合部における細胞間の横方向の相互作用を媒介します。水平細胞は光受容体-双極性シナプスを調節し、アマクリン細胞は双極性-角膜シナプスに影響を与えます。この回路により、網膜のより広い部分の情報が統合され、様々な光の条件下でのコントラストの検出など、視覚情報の初期処理が可能になります。

視覚情報は神経節細胞の軸索を伝わり、神経節細胞はグリア細胞とともに目の奥の視神経を構成します。視神経からの視覚情報は、脳に送られ、さらに処理され、解釈されます。

Suggested Reading

Hoon, Mrinalini, Haruhisa Okawa, Luca Della Santina, and Rachel O.L. Wong. “Functional Architecture of the Retina: Development and Disease.” Progress in Retinal and Eye Research 42 (September 2014): 44–84. [Source]

Masland, Richard H. “The Neuronal Organization of the Retina.” Neuron 76, no. 2 (October 18, 2012): 266–80. [Source]