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34.2:

非維管束の種無し植物

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Non-vascular Seedless Plants

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地球上に生育する植物には 非維管束植物、無種子維管束植物、種子植物の3種類があります。現在の地球上で最も広く 生育しているのは 種子植物ですが、かつて 地上で最も繁栄していたのは 非維管束植物でした。現在の非維管束植物には 3系統の小さな草本植物が 含まれています。蘚類、苔類、ツノゴケ類の3系統で、多くの水生種も含みます。これらの植物はまとめて コケ植物と呼ばれます。すべての植物と同様に、コケ植物は生活環を通して コケ植物の本体となる 半数体の配偶体期と 二倍体の胞子体期を 交互に移行します。このプロセスを世代交代と 呼びます。他の植物とは異なり、コケ植物の生活環では 配偶体が優占体となります。コケ植物の配偶体は 通常、胞子体よりも 大きく、長く生きます。胞子体は配偶体から 栄養をもらい、保護されています。コケ植物の主な 特徴の1つとして、種子が無く、二倍体の 胞子体が生産する 胞子を使って生殖します。胞子は有糸分裂で 成長し、配偶体を形成します。非維管束植物の 受精もオスとメスの 配偶子によって 行われますが、非維管束植物では 胞子とは異なり、雄性配偶子は 運動性を持つため、雄性配偶子が分散し、雌性配偶子に到達するには 水の中を泳ぐ必要があり、朝露の滴など、少量であっても水が必要です。最後に、受精した 二倍体の卵子は 配偶体に付着したまま 有糸分裂を行い、新しい胞子体を 形成します。コケ植物は、長く伸びた 維管束組織、根、葉、茎を持たず、栄養分と水が 細胞間の拡散によって 分配されている点でも 他の植物とは 異なります。そのため、コケ植物は 大きく育つことができず、丈の低い種類が多いのです。現在の地球上では、非維管束植物が 獲得してきた様々な 適応の恩恵を受けた 種子植物が植物の 大部分を占めていますが、非維管束植物も世界中の湿った 生育地で繁栄を続けています。

34.2:

非維管束の種無し植物

約40万種に及ぶ地球上の多様な植物は、その生物学的特徴から、非維管束植物、種なし維管束植物、種子植物の3つに大別されます。

非維管束植物は地球上で最初の植物

現在生息している非維管束植物には、レバゴケ、コケ、ツノゴケなどがあり、これらを総称して「蘚苔類」と呼んでいます。

非維管束植物の特徴は、広範囲の維管束組織を持たず、本当の根、葉、茎を持たないことです。また、種子ではなく胞子を用いて繁殖し、卵や精子を作る配偶体の段階が主なライフサイクルであることも特徴の一つです

精子が卵に到達するには水を必要とするため、非維管束植物は湿った環境でよく見られ、他の種のメンバーの近くでよりうまく繁殖します。

非維管束植物のライフサイクル

典型的な蘚苔類では、胞子体で作られた半数体の胞子が分裂を経て成長し、半数体の配偶体を形成します。この配偶体は成熟すると、造精器や造卵器と呼ばれる構造体の中で、雄型(精子)または雌型(卵)の半倍体の配偶子を生み出します。

精子は、朝露程度の水があると、卵を見つけて受精するために造卵器に向かって泳ぎます。受精が完了すると、2倍体になった接合体は、配偶体構造から分裂を経て成長し、新しい胞子体を形成します。成熟した胞子体は半倍体の胞子を生成し、このサイクルが再び始まります。

現在の地球上のほとんどの植物は種子植物です。

現代のほとんどの植物は種子から成長しますが、かつては非維管束植物が陸地の主な生物でした。今日、これらの植物は世界中の湿った環境で成長し続けています。

Suggested Reading

Delwiche, Charles Francis, and Endymion Dante Cooper. 2015. “The Evolutionary Origin of a Terrestrial Flora.” Current Biology 25 (19). [Source]

Pires, Nuno D., and Liam Dolan. 2012. “Morphological Evolution in Land Plants: New Designs with Old Genes.” Philosophical Transactions of the Royal Society B: Biological Sciences 367 (1588): 508–18. [Source]